消えた予定の価値

今年度の当職は侍集団の棟梁的な任務に就くことになったのであるが、棟梁の基本的なお仕事として、地域のお仕事、さらに広域なお仕事、そして霞ヶ関でのお仕事に出てくるというのがある。その他、色々なところに顔を出したり、ご挨拶をしたりというのも存在する。

ところが、全く予期しないことに、このところの新型コロナウイルスの流行により多くの予定が吹っ飛んで消えてしまった。

その影響がどの程度生じているのかということについて、ざっくりと検討してみることにしたい。

どのような予定であったのか

3月後半からカウントすると、コロナの影響でキャンセルされた会務その他の出張は、確定している予定も含めると次のとおりとなる。

  • 東京 4回(片道4時間、宿泊のキャンセルは延べ11泊)
  • 札幌 3回(片道3時間、同2泊)
  • 釧路 1回(片道2時間半、同2泊)
  • 根室 1回(片道4時間半、同1泊)

その他、本来あったであろう宴会や懇親会の類の予定は、概ね10回くらいなくなっているはずである。これは、所要時間を1回2時間と仮定しておく。

東京に最後に行ったのは3月13日の日弁連定期総会の時であった。札幌への移動も4月11日の道弁連理事会が最後である。その時も、最低限行って帰ってきただけになったが、同じ車両に乗ってる人が3人しかいないような状況であった。

釧路への出張は、さすがに社長が就任早々本社に全く行かないわけにはいかんだろうということで、最低限ではあるが行き来している。また、根室への出張は公設事務所の所長交代式のためであったが、根室の公設事務所が今も維持されていることには思うところがあり、この予定がなくなってしまったのは本当に残念なことであった。

集計

以上を前提に時間を計算してみると、

  •  移動時間 64時間
  •  会議時間 16時間(日弁連理事会が短縮された)
  •  懇親会等 20時間

ということで、概ね合計100時間、宿泊日数は延べ16泊分が、予定から消えた。その分どうなったかというと概ね自宅内で仕事して寝起きしていたに過ぎないので、結局ほぼ日常どおりの生活をしていたということになる。

経済効果

極めて単純に考えると余った時間にタイムチャージを掛ければよいので、仮に1時間あたりn万円(n>0)とすると、100n万円分の経済効果が発生するということになる。すなわち、nの大きさ次第ではあるものの、これはかなり大変なことである。

もちろん、仕事場にいたというだけで実際の売上が立つわけではない以上、これからじわじわと負の影響がやってくることになる。

そうではあるとしても、機密を扱う以上は効率を犠牲にしてでも移動中に仕事してはいけないという原則に従っている当職としては、業務上の移動がほとんどなくなったことで時間の余裕が生じ、結果的に心身の負担の軽減がもたらされたことは体感している。

今後について

社会全体で見れば、多くの人の生命身体に影響が生じており、今回の件は負の影響が明らかに甚大である。そして、経済的な影響の面でも極めて深刻な情勢である。

実際、弁護士会の事務運営には影響が生じることとなり、会長に就任早々不確かな前提の下で次々と判断を迫られたから、その方面から生じる精神的なプレッシャーはなかなかのものがあった。

とはいえ、何とかここまで来たということではあり、今後もどのような問題が生じるかは予想が付きにくいが、余り無理のないようにして、心身のコンディションの維持にも注意しながら、課された務めを果たすことができるようにして参りたいと考えている。

 

タイトルとURLをコピーしました