死刑廃止運動と会務運営の難しさ

東京弁護士会が死刑廃止に向けた決議を通したという報に接した。

死刑廃止の反対運動

これについては強烈な反対運動があったようだ。

いいねの数がすごい…

こういうものを見てしまうと、ああ、業界内ではともかく世の中では自分は少数派ではあるんだろうな、とは思う。

北村先生、はるか昔に野球部の活動で拝見したことがあって、テレビに出てくる姿と違って超ニコニコしながら参加していたから根はいい人なんだろうと思う。しかし、普段言ってることは全く賛同できない。ケント・ギルバートと出していた妙な本を総本山の地下の本屋で見かけたが、自分の意見と違うからといって日弁連を左翼とか共産党とか評価しちゃうのは何か違うのでそういうことを言うのはやめてほしい。

北村先生たちの活動は盛り上がったようであるが、結果的に上記決議については賛成票が過半数を制した。ただ、北村先生のツイートを見ると、きちんと反対派の頭数を最後までそろえていれば決議が通らなかったんじゃないかという状況でもあったようである。

余計なお世話

まあ、余所の会のことであるからどうでもいいことである。というよりは、むしろ余所の会の人間がああだこうだと言うべきことではないかもしれない。

しかし、日本国の弁護士の5人に1人は東弁の会員である。その天下の東弁ですらこの決議の扱いにこれだけのご苦労をされているようではさすがに恐ろしくてとてもとても同じような真似はできませんわなあ、という思いを持った(個人の感想です)。

通ったはいいけれどもこれだけの僅差となると、禍根が燻り続けて今後の会務運営に予期しかねる影響が出るのではないだろうか。弁護士は党派性が強い習性があるので、江戸の敵を長崎で討ってるような例も見かけないわけではない。

そして、最大単位会の会務運営が不安定化するということは、日弁連の会務運営に与える影響も少なくないと感じられる節がある。この点だけは余所から見ていても看過できないとは思っている。

強制加入団体の会務運営を考える

なお、当職個人としては死刑制度は廃止すべきと考えているから、この種の決議の方向性そのものに異存はない。しばしば、強制加入団体がこんな決議をするなという意見に接することがあるが、その程度の理由だけでは考察が雑だというくらいには思っている。

しかし、そのような立場を以てしても、この進め方は変だろという違和感がある。おそらく、その違和感の原因というのは、数を頼んで団体の意思決定をイージーにやってしまっているという点にある。数を揃えたからいいというのではなく、地道にやっていかねばならない問題というのもあろうかと思う。

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