弁護士プロフィールの読み解き方

弁護士業界も人が増えてきたためウェブマーケティングが流行っており、ウェブで事務所の紹介がされることも多くなってきました。

そこで、私も各事務所のウェブサイトを研究してみたりしていますが、意外に弁護士のプロフィールで重要なことが書いてなかったりすることがあるようですので、どんなところがポイントなのか考えてみようと思います。

弁護士の生年(年齢)

弁護士の年齢と仕事ぶりには相関関係はないように思います。

若い弁護士でも、熱意があれば熟年の弁護士よりも良い成果を生み出せることもあります。

しかし、人生経験は、依頼者との相性や事案処理の仕方に相当関係してきます。また、年齢が若い弁護士だと信用されないということも少なからずあるようです。

従いまして、一般的には、若い弁護士は若さをアピールしないことの方が多いようにも思われ、広告で積極的に集客する事務所では(比較的若い弁護士が多いことから)、弁護士の年齢が分かるようなプロフィールは書いていないことが多いように見えます。

弁護士の学歴

学歴が弁護士としての腕に直結するかどうかというと、そうでもなさそうです。

お医者さんの世界では学閥も強いようですが、弁護士業界では意外と学閥は聞きません。ただ、学歴に関しては、その弁護士がどんな勉強をしていたか、あるいはその人の事務処理能力や学問的水準がどの程度かを示す指標としては一定の意味はあるようには見えます。

そういう観点からすると、書いてアピールできるなら書くし、そうでなければ書かないということもあろうかと思います。

弁護士の修習期

司法研修所での修習期が分かれば、どの程度の法曹経験があるか概ね把握することが可能です。司法修習を経ないで弁護士になるルートもありますが、極めて稀です。

経験の長さは経験の豊富さに直結すると理解されることが多いでしょうから、できれば経験のある弁護士に頼みたいと考える人は多いと思います。しかし、プロフィールを見ても弁護士歴がハッキリしない事務所は結構あり、そのよう場合弁護士歴が長くない(あっても数年程度)ことも見受けられます。また、年齢は相応ながらも弁護士経験は短いケースもあります。

顧客としてみれば、依頼する弁護士の経験がどの程度あるかという情報は結構重要だと思いますので、広告をメインでお客さんを集める事務所なら、正直にプロフィールとして表示すべきではないかというように思います。

弁護士の職歴

弁護士の職歴については、事情は人それぞれでしょうが、差し障りのありそうな場合には記載がされないことも有り得るのかと思います。

弁護士の場合、弁護士以外の職務経験がないという人が多数だと思いますが、前職が大学教授であるとか、裁判官であるとか、検事であるとか、あるいは民間企業勤めしていたというケースもありますし、最近はそのようなキャリアを持つ人材が弁護士をしていることも増えています。

一般的に、弁護士以外の職務の経験がある弁護士は、経験を生かせるという大きなメリットがあります。この点は、残念ながら当事務所の一番の弱点です。

但し、他職経験者はそれぞれのキャリアの影響で特徴的なところもありますので、相性を見極めて依頼をしたいという人も居るのではないかと思います。

いずれにしても、職歴はその弁護士の性格を考える上で非常に参考度の高い事情ですので、プロフィールで触れられていないとするとどうなのかなという気はします。

弁護士が本業以外の特技をアピールしている

タレント活動や格闘技活動をアピールする弁護士も、かつてなら考えられないくらい多くなりました。弁護士業界の人材も多彩になってきたものです。

しかし、根本的には、弁護士の仕事は法律事務を処理することです。

法廷はビューティーコンテストでもなければ格闘技のリングでもありませんので、美しい人が勝つわけではなく、また、拳が強い人が勝つわけでもありません。

依頼者の正しい主張を通すために必要なことは、法律問題の処理に関して確固たる技術を持つことです。

従いまして、弁護士個人のパーソナリティーをアピールして親しみやすさを与える意味はあるのかもしれませんが、本業に関係のない特技のアピールは程々にしないと逆効果ではないか、という気もしないではありません。

なお、自分の事務所のウェブサイトにおけるプロフィールの記載については、主要な経歴はそのまま記載しています。そして、そもそも誇れるかどうかは分かりませんが、我々には本業以外に誇るべき特技はありませんので、本業である法律事務の処理に邁進したいと思います。

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