去る平成25年12月12日から13日にかけて、千葉県市川市にある自研センターにて交通事故に関する研修を受けましたので、その報告をいたします。
自研センターは、主に損害保険会社の従業員などが研修を行うための組織ですが、この度は権利保護保険(いわゆる弁護士費用特約として、自動車保険などに付帯していることが多いです)を利用して交通事故を扱う弁護士向けの研修が企画されましたので、これに参加してきたという次第です。
自動車の構造
まずは自動車の構造から勉強していきます。最近の車両は、衝突時の衝撃の吸収や分散をするために、構造上も様々な工夫がされています。
衝突実験
時速25キロメートルでカローラを壁面に衝突させる実験を行います。この程度のスピードでも、大きな衝突音がして車体も相当へこみます。エアバッグも瞬間的に作動しています。
補修作業
メーカーの作業マニュアルに従って、衝突実験でつぶしたカローラを元に戻します。写真はフレーム修正機を使用して、つぶれた部分にチェーンを掛けて油圧で引っ張って元に戻しているところです。鉄は意外に柔らかく、引っ張ると元に戻っていきます。
破壊実験
フロントガラスを金属バットでたたき割る実験です。フロントガラスは割と簡単に割れてしまいます。但し、ひびが入るだけで簡単には飛び散らないようになっています。なお、サイドガラスは金属バットでたたいても簡単には割れません。
塗装作業
実際の塗装作業も見学します。左フェンダーの先っぽの部分が削ってあり、ここを周囲と同じ色になるように塗料を調整して塗っていきます。
部品の展示
参考のために多数の部品が展示されていましたが、やはり、外国車の部品の単価はそれなりに高いようです。
交通事故に関する事件は、当事務所においてもしばしば取り扱う類型の紛争です。このような研修の機会を通じて、交通事故事案の法的な問題のみならずメカニカルな問題についても十分に精通し、適正な処理が出来るよう心掛けたいと思っています。