自然災害支援と弁護士

近年、弁護士による災害支援の重要性が語られるようになり、例えば、東日本大震災の際も、少なからぬ弁護士が震災後の現地に赴いて法律相談を行っていました。

ただ、私はその件に関しては何もしていないので、これまで少々引っかかっていたところです。あの時は、仙台空港のあたりが津波に飲み込まれている映像を直後に目撃し、余りに衝撃を受けその後何もできなかったことを思い出します。

不思議なアンケート

ところで、最近、立教大学の先生から「自然災害支援に対する弁護士の意識・行動に関する調査」と題するFAXでのアンケートが送信されてきました。

ただ、この問題に余り関心がなく、元々意識低めな私が正直に回答すると、「学部時代に熱心ではない某大法学部出身で旧試験合格者は、震災前から社会貢献活動に熱心ではなく、大震災発生後も被災者支援をやってない。」という微妙な属性が浮かび上がってしまうのでした。

あっ…さすがにこれでは恥ずかしくなってきたので、私のアンケートはお蔵入りにしてしまいました。誠に残念です。

災害支援と弁護士の活動

自然災害が多発している昨今、弁護士が災害支援にいかに取り組むかは大きな課題だというようには思います。

しかし、緊急時にはどのような属性の弁護士が活躍するか、とかもう全く関係ない気もします。いざとなれば、動ける人は動かなきゃなりません。

先のアンケートへの回答に抵抗があったのもそういうことでしょう。プロセスによる法曹養成を経た人々は公益活動に熱心だ、という結果なら大変結構なことです。多少早く受からせてもらって手当も貰えた分、届かぬところに法の光を行き渡らせることは宿命である、と自分には言い聞かせて来ていたのですが。

災害相談の現状

今でも、法テラスの震災援助相談が来たりすることもあります。もう5年以上も経つのに、遠い北海道なのに、と考えると不思議ですが、東日本大震災と原発事故の関係では、未だに解決していない課題も多いことを痛感します。

最近は、北海道内でも大変な台風災害が発生しました。その対応ということで、電話相談に待機したり、出張相談などもしています。

今回の道内の台風災害に関しては、地元で実に甚大な被害が発生していますが、法律相談の引き合いそのものは多くなかった印象です。とはいえ、対応の負担はあっても地域のための仕事ですから、誰かがやらないことにはどうしようもありません。

そこで、帯広の会員は皆頑張っておりました。私もボヤっとしている場合ではなかったので、本当に微力ながらも取り組んだ次第です。ただ、実感としては、「備えていないことはできない」ということは確かにそのとおりに思いましたので、改めて備えを固めておく必要はありそうです。

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