公聴会の応援演説

2022年1月15日に札幌で日弁連会長選挙の公聴会がありましたので、及川智志候補の補佐人として応援演説をしてきました。

以下、要旨をご紹介します。

なぜ応援するのか

2019年の業革シンポで京都に行くと、及川は一人でビラを配って法曹人口問題を訴えていた。その姿を見てこの人は大変な信念の人だと思い、今回の応援を引き受けた。及川は、司法改革の誤りを正す!とはっきり言っていることが他の候補と決定的に違う。

司法試験合格者数

「制度を活かすもの。それは、疑いなく人である。」とうたってたのに、司法修習貸与制を導入した挙句、若手弁護士の待遇を悪化させた。弁護士になろうとする人材を大事にしなくなったのが司法制度改革の一番の誤りであり、将来に大きな禍根を残した。 せめて、自分の業界に入ってくる人は出来るだけ大事にして、自分たちで責任を持って育てられるようにしようと思う。それで、合格者減の及川の意見に賛成したい。

法テラスの報酬問題

「法の支配を全国あまねく実現する」といってたのに、法テラス代理援助の規模は横ばい傾向だし、契約弁護士数も同様である。弁護士は増えたのに担い手が増えない理由は明白で、法テラスが現場の弁護士を物心両面で大事にしないからだ。現場で汗を流して働く仲間すら大事にできない組織が人権擁護なんかできるか。法テラスと日弁連の関係の再構築の必要性に気が付いて変えようといっているのは、及川だけだ。

会務運営の在り方

昨年度日弁連理事として理事会に参加したが、必ずしも十分な議論はない。 重要な議案が大変な速さで目の前を通過していく。司法制度改革の中で日弁連は立法過程を通じて政策を実現する経験を得たが、何か制度を作ったとか少しばかり予算を取ったという手柄だけ強調する動きも目立ってきた。 その政策は本当に会員のためか?会員に犠牲を強いているだけではないか?

立法過程を通じて日弁連の政策を実現するにも、会内で充実した議論あっての話だ。それが出来ていないことが露呈したのが新型コロナ法テラス特措法案をめぐる騒動だった。より多くの会員の声に出来るだけ耳を傾けようというのは、及川ならではの正論である。

振り返って

弁護士の増員は図られたが、法律扶助は拡大しないし、地方で国選の受け手を探すのも大変である。競争で負けたら退場しろというのに、公益業務はちゃんと取り組め、倫理を強化しろというのでは、制度設計がおかしい。

弁護士はプロフェッションでなければならない。法律家の規律が緩めば資格の価値は消え、弁護士自治が危機に瀕するから、規律を強化すべきというのは分かる。だが、もう遅い。弁護士増員路線の必然で、もはや弁護士は普通の仕事になった。 多くの弁護士が職業生活をあきらめるか、哀れな余生を過ごすか、不正に手を染める。そんな職業に再びなれば、弁護士の地位を高めてきた先輩法曹に合わせる顔がない。

今何が必要か

司法改革の路線は弁護士の世界に大変な歪みを生じさせたということが、現状認識の第一に来なければならない。「魅力ある司法を実現しよう」「これからの弁護士の話しをしよう」というなら、まずはそこからだ。

ところが、日弁連の会務の中枢は弥縫策に終始し、改革の弊害に無反省のままである。 改革を疑わずに来た人たちがポストを回しあっても何も良い方向に変わりはしないと確信した。そのような人たちが魅力ある司法の実現を語っても手遅れだし、これからの弁護士について話をしても展望は見えない。 今、弁護士の現状を明確に見据えているのは及川しかいない。今こそ信念の人に漂流する日弁連のかじ取りを任せなければならない。

以上、とりあえず、要旨をご紹介しました(敬称は省略しました)。

公聴会に出たのは初めてでしたので、追って、出席した感想等を記したいと思います。

応援演説の全文は、及川候補のウェブサイトにも掲載されておりますので、そちらもご覧ください。普段は余りそういう話し方になじみがないのですが、実際に演説口調っぽい表現になっているかと思います。

 

タイトルとURLをコピーしました