北海道では、外国人が土地を取得する動きに対して懸念があるように聞こえてくることがあります。
例えば、外国人の土地取得に限って狙い打つ形式というわけではありませんが、現に、水資源の保全を目的とした条例も制定されています。
売れない山林の処理
ところで、破産した人や会社が山林を持っているケースは結構ありますが、破産管財人になった場合、その処分に困難を来すことは少なくありません。
このような場合、買い手が付く可能性は乏しいので、しばらく様子を見てから破産財団から放棄してしまうことがあります。財団放棄された後にどこへ行ってしまうかという問題はありますが、破産管財人の職責としてはそこまでです。
しかし、たまたま破産手続中に山林売ってくれという人が現れて、それが外国人や外国資本だった場合にどうするか(そもそも容易に判明するかも疑わしい)、という問題は生じることはあるかもしれません。
破産手続中であれば、基本的には経済的な合理性で決めるしかないような気がします。債権者から一円でも多く配当できるようにやってくれ、といわれれば仕方がありません。配当が増えれば債権者は喜びますし、容易に売却ができるのに政治的信条のために売らないとなれば、善管注意義務違反を問われかねません。
色々な懸念
むしろ、この問題は、山林を維持する余裕が既に無くなりつつあるという、我が国の国力の低下を嘆くべき問題のように思っています。
水資源確保や安全保障という理由はもっともですが、そのような議論も、単に外国人がやってくるのが嫌だ、といっているだけに聞こえることもあります。一方で、外国人旅行客の誘致は国策として強く推進されているので、不思議な感じがしています。
うちのあたりでも、極端に排外的な言説が時折聞こえてくることもあるので、どうしたものかと思っているところです。