ホームページを持つ法律事務所も多くなりましたが、当事務所も、2014年2月以来ホームページを公開して現在に至っています1。
思い起こしてみると、ホームページを作成するということに関しては、これまでの間には印象に残る出来事もいくつかありました。
今回はそのような話題に触れてみたいと思います。
昔のパソコン事情
パソコンにさわるようになったのは大学に入ってからです。
1996年に大学に入った時は、ウインドウズ95が画期的だといわれながら出始めたころで、学内のウインドウズマシンはまだ多くなかった記憶です。
メールを打つときもUNIXにコマンド打ち込んでから書いてましたから、今や隔世の感があります。
個人的には、1回生の冬ころにアルバイトで貯めたお金で富士通の箱みたいなパソコン一式を20万円くらい出して買いました。当時のパソコンやディスプレイは、とにかく重いし場所を取るので扱いづらいものでした。
黎明期の思い出
当時やっていた部活でも、ホームページを作ろうということになりました。
確か、ホームページ係の最初のミーティングが近藤さんの下宿であったのですが、その時のことは良く覚えています。何しろ、その日は歯の治療で麻酔を打ったら舌の感覚が麻痺してへんな味覚になってしまい、飲食物の味が分からなかったからです。
前後して、自分の箱みたいなパソコンでもホームページビルダーを入れて、趣味的に個人のホームページを作ったりもしていました。
そんなことをして遊んでいると、今度は、先輩の院生から「うちの先生の論文を公表するホームページが必要なのだが、作れないか?」という話がありました。
そのような経緯で、国際法とは疎遠な私ですが位田教授の研究室にお邪魔して、ホームページを作って論文のデータをアップロードするなどしていたこともありました。さすがにそれはもう残ってはいないようですが。
その後
それから20年くらい経ちましたが、サイクリング部のホームページは着々と進化して、とても充実した内容になっています。
特に、自転車のメカを解説した「めかぱん」は、サイクリストには役立つ内容だと思います。
そして、先述の近藤さんは、その後はてなという変な会社を立ち上げて活躍されていました。このページにも「はてなブックマーク」のボタンを設置してますので、よかったらブックマークしてみてください。
衰退期
さて、自分で作っていたホームページは司法修習に入っても維持こそしましたが、裁判所の監督下にある立場ですから、私も萎縮しておりました。
裁判所に属すると勝手なことはできず大変だなあ、と思ってました。最近でも、白ブリーフ姿の高裁判事がお咎めを受けて話題になったりしています。
そんなわけで、活発に更新もしないまま、修習を終えてイソ弁になりました。
このあたりになってくると、仕事も忙しくなってきましたし、書けないことも多いのでホームページは開店休業状態になってしまいました。
再び発信
2007年の独立後も、事務所のホームページは持たずに過ごしていました。
ただ、さすがに事務所や弁護士の名前で検索したときに情報が出てきた方が良いですし、出て来る情報によってはお客さんが困惑するかもなあ、という懸念はありました。
例えば、「岩田法律事務所」で検索すると、当たり前ですがうちではなくて東京の名門事務所が出てきます。
また、かつては私の名前で検索すると「依頼者を裏切る最悪の弁護士」(!)みたいな2ちゃんねる情報が上位で出てきてました。どうせ信用する奴など居るまいと思いつつも、嫌なものです。
そんな事情もあり、そういえば昔はホームページ作ってたし、また作ってみるか、ということで自作に取り掛かりました。
どっちみちコンテンツは自分で書かないと意味がないので、業者に頼んでも手間はそんなに変わらんかな、と思ってました。
ただ、実際やってみるとブランクの間の技術の進歩が凄まじく、なかなか上手く作れなかったのですが、2014年の2月から何とか運用を開始しました。
成仏理論の普及に努める
事務所の概要だけではつまらないのでちょっとしたコラムでも書いてみるかと思って、最初に書いたのが「成仏理論に関する考察」という記事でした。
これは予想を超えた反響があって、未だに良く参照される記事となっています。ただ、ほとんど法曹関係者による反応でしょうから、顧客獲得とかそういう観点からはたぶん役に立たない内容ではあります。
いくつか記事を書いていると、ワードプレスというのを使うと更新が楽だということを知り、数か月してそちらに移行しました。更新が容易になって段々と内容も充実するようになってきました。
更に、途中でデザインを変えたり、データベースの中身を飛ばして焦ったりとか色々ありましたが、そんなことで試行錯誤しながら現在に至っています。
最後に
見てのとおり、プロが上手に作っているホームページではありませんので、いろいろと至らないところは多いです。
それでも、宣伝広告の側面を押し出し過ぎると、書いても読んでも楽しくないので、上手に情報を発信していけたら良いかな、とは思っているところです。そんな気概で引き続き取り組んでいきたいと思っています。
言葉の使い方としてはホームページではなくウェブサイトというのが正確なのだろうが、ここはあえて旧来より一般的に誤用(?)されている用法によることとした。 ↩